2013年8月20日火曜日

スウェーデンハウスでのエアコンつけっぱなしは不経済?

スウェーデンハウスのモデルハウスに行くと、こんな話を聞くことがあります。

「夏はエアコンをつけっぱなしにすることをおすすめします。気密性・断熱性が高いですから、室内が十分冷えたあとはエアコンはほとんど止まっているかときおり弱く回るだけなので電気代はあまりかかりませんよ。温度設定も28℃にしておけば、家全体が快適な温度に保たれます。」

ブログなどで検索すると、これを実践しているスウェーデンハウスのオーナーさんはそこそこいるようですが、私自身は電気代が怖くてまだ試していませんでした。

この話を営業担当から聞いたとき、
「へぇ~、そういうものなんだ。確かに、昼間留守の間に暖まった室内を夕方帰宅後にエアコンをブン回すと電気を一気にたくさん使いそうだ。まして、夕方といえばリビングタイムといって、一番電気の単価が高い時間帯。総合すれば、つけっぱなしの方が電気代は安くなるのかもしれない。」
そんな都合のよい理解をしていました。

しかし、よくよく考えるとこれはとても非科学的な気がしてきました。
ごく普通に考えて、私の家のように共働きで昼間留守にして誰もいないのであれば、その時間帯だけを考えればエアコンをつけているのは無駄であることは明らかです。
それに、いくらスウェーデンハウスでも“完全気密”“完全断熱”ではないのだから、やはり外部からの熱はそれなりに流入するはず。昔勉強した物理の知識を引き出すならば、熱の流入量は温度勾配が高いほど多くなるはずです。つまり、エアコンをつけて室内を冷やせば冷やすほど単位時間あたりの熱の流入量は多くなり、その一方で何もしなければ部屋の温度は高くなり熱の流入量はエアコンをつけているときよりは少なくなります。
そして、夕方に帰宅後にある決められた温度(たとえば28℃)まで下げるのであれば、家に対する全体的な熱収支という観点から考えると、日中より多くの熱量が流入した方がエアコンにより多くの消費電力を強いているのは明らかです。まして、エアコン自体の冷却効率や機械的ロスのことを考えると、やはりエアコンは必要のないときには切っておく方が得策のように思えます。

最近は、契約にもよりますが、電気の使用量を1時間単位で知ることができるようになってきています。私もこれを利用して、エアコンをつけっぱなしにした場合と、つけずに帰宅してからエアコンをつけた場合で、電気の使用量がどれくらい違うかを調べてみました。
ある程度暑くなった7月の平日から無作為に3日を選んで日中エアコンをつけていた場合と、その翌日に日中切っていた場合とで比較したのが次のグラフです。



横軸は、一日の中での時間帯(1時間単位)です。
縦軸は、各時間帯毎の3日間の電気使用量の合計です。単位はKWhになります。
平日は朝7時過ぎには出勤し6時ごろには帰宅するので、その時間帯とその直後の時間帯に着目します。他の時間帯は在宅しており、料理や洗濯、照明・テレビなどで電気を使っており、日によって使用量も違いますので無視します。ちなみに早朝4時~6時頃に電力消費が上がっているのはエコキュートのせいです。

総じて、エアコンをつけた方(青いグラフ)がつけいない方(赤いグラフ)より単位時間あたり消費電力が多いですが、不思議なことに帰宅後の時間帯(18時~20時)においても青いグラフの方が赤を上回っています。予想では、昼間暖められた室内を一気に冷やそうとして18時以降の1時間くらいは赤いグラフがグっと伸びてくると思ったのですが…。
これでは、エアコンをつけない方が明らかに得です。いったいどうなっているのでしょう。

帰宅後にエアコンをつける場合、確かに帰宅時点では室内はかなり暑いです。しかし、それを冷やすのにエアコンを何時間もブン回す必要はありません。せいぜい15分くらいは一生懸命頑張ってくれていますが、それで部屋は十分に冷えます。それ以降はそんなに回っていません。

というわけで、理由のほどは良く分からないですが、実測データから見る限りでは、共働きで日中不在にしているのであればエアコンをOFFにしてみる方が良さそうです。

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